「見る」という行為はとても奥深い



人間って普段何気なく「見る」という行為をしていますが、実はとても奥深い行動なんじゃないかと思うんです。

見ているものは同じでも、人によって見え方、感じ方が違うというのはよく聞く話ですが、このように「見る」という行為は何かフィルターをかけたり、非対称性を生んだりするような行為のような気がしています。


私がこのように感じたきっかけはというと、学生時代まで遡ります。

その頃の私は研究上、夜通し顕微鏡を覗くこともあるぐらい、顕微鏡と密接な関係にありました。なんとも悲惨な学生生活ですねw
理系学生にはあるあるかもしれません。

そうした生活の中で、私は光学顕微鏡についてとても不思議に感じていることがありました。若干専門知識も入るので、よく分からんという人はスルーしてください。

顕微鏡の光軸をz軸、光軸に垂直な平面をx-y平面と呼びます。分かりやすく言うと、画像となる面がx-y平面で、それに対して垂直な軸がz軸です。
何が私にとって不思議だったかというと、x-y平面上の分解能とz軸方向の分解能が異なるという点です。どう異なるかというと、下図のような感じです。

Vicidomini, Giuseppe. (2008). Three-Dimensional Image Restoration in Fluorescence Microscopy.


なんだこれはという感じかもしれません(笑)詳細を書くと長くなってしまうので簡単に説明すると、点光源を顕微鏡を通して観察したときに、どのように見えるかを示しています。色は光の強度を表していて、点を観察したとき、このように広がりを持った像になります。つまり、点を観察しても点にはならず、ぼやっと広がった像になるということです。そしてこの広がり具合を分解能と定義してます。上の図がx-y平面、下の図がz軸方向の広がりを表しています。

この図を見て分かるように、x-y平面とz軸方向では広がり方が違います。x-y平面は円状に広がっているのに対して、z軸方向は楕円状になっています。これが何を意味するかというと、顕微鏡で点を観察すると、3次元空間ではz軸方向に伸びた楕円体として観測されるということです。点を点として見ることはできず、楕円体になってしまうんですね。


私にとってこれはとても興味深いことでした。x-y平面とz軸方向で非対称性が生まれているわけですが、これは顕微鏡で「見る」という行為によって生じたものです。物はそこにあるだけなのに、ありのままで観察することはできない。見るという行為そのものによって、非対称性が生じてしまうのです。


おもしろいな〜と思っていたんですが、あるときふと思いました。

物はそこにあるだけなのに、ありのままで観察することはできない。」

これって、物だけじゃなくて日々の出来事にも当てはまるんじゃないかと。人は辛い経験、悲しい経験、楽しい経験などいろんな経験をすると思いますが、事実としてはその出来事があったというだけです。そこに楽しい、辛い、悲しい、などの意味付けしているのは人間自身です。つまり、実際はその出来事が起こったという事実があるだけなんですが、事実をありのままに捉えるのは難しくて、人それぞれ意味付けをして受け取っているということですね。


その意味づけはその人の性格や、経験から決まる物なので、様々です。だから、同じものを見ていても人によって感じ方が異なるんですね。人間自身が事実を変換するフィルターのようなものなのかなと思ってます。


「見る」っておもしろくないですか?

では!


静電気は感電といえるのか??



先日職場で静電気は感電と言えるのか!?という話題が出ました。

そのときはどうなんでしょうねで終わったんですが、気になったので調べてみました。感電っていうと大電流が人体に流れ込むようなイメージがありますよね。落雷とか、お風呂でスマホを充電しながら使っていて、浴槽に落としてしまったとか(たまにニュースで見ます)。




結論から言うと静電気は非常に弱い感電の一種(by Wikipedia)だそうです。感電って要は外部から人体へ電流が流れることなんですよね。そこに電流の大小は関係ないのです。



静電気も例えばドアノブから指先に電流が流れることで痛みを感じるわけです。ただ、その電流が小さいので、非常に弱い感電というわけです。



一般に人体に流れ込む電流と症状の関係は以下のようです。

1 mAピリッとくる程度
5 mA結構な痛みを感じる
10 mA耐えられないほどの痛さ
20 mA筋肉が激しく収縮し、感電を引き起こしている物から離れられない
50 mA短時間でも死に至ことがある
100 mA致命的な結果になる
https://www.matsusada.co.jp/column/electric_shock.html から引用


おそらく静電気は1mA程度ですね。もっと小さいのかもしれません。


ところで、気になったんですけど、普段の生活で実は何も感じないレベルの微弱な電流が人体に流れ込んでいる、ということはないんですかね?


人体には常に微弱な電流が流れているわけで、電流って意外と身近な存在だと思うんですよ。


何が言いたいかと言うと、もしそうだとすると人間は頻繁に感電していることになるなとw


調べたんですけど、分からなかったので知っている人がいたら教えてくださいw

ブラウン運動の奥深さ


ブラウン運動って聞いたことありますか?

多分中学、高校の理科とかで言葉ぐらい聞いたことがある人は多いんじゃないかなと。

これですね。

出典: Wikipedia

微粒子が水中で動き回るやつです。

ブラウン運動の発見

植物学者ブラウンが花粉中の粒子が水中で動き回ることを発見したことからブラウン運動と呼ばれてます。

これって今でこそ熱運動をする水分子が衝突することが原因だと分かっているわけですが、発見当時(1827年)はさっぱりだったわけです。

そもそも原子の存在も仮説レベルでしか語られていなかった時代です。

ブラウンは当初生き物だと思ったそうです。

まあ最初はそう思いますよね。その後彼は様々な物質で実験し、この運動が生命に起因するものではないことまでは突き止めています。

アインシュタインの功績


その後結果的にブラウン運動の仕組みを解明したのはアインシュタイン(1905年)なんですが、面白いのがブラウン運動自体が原子の存在証明になったということですね。この当時はまだ原子/分子の存在は仮説でしかなく、原子反対派が根強くいたそうです。そこで、アインシュタインが原子の存在を証明すべく、思いついた仮説が下記でした。


もし仮に熱運動する分子が存在するなら、液体中の微粒子は分子の影響を受けて何かしらの運動をするであろうということです。つまり、大きすぎる粒子は分子が衝突しても加わる力が平衡となり動きませんが、粒子のサイズを小さくしていけばどこかで分子の衝突の影響を受けて何かしらの運動をすることになるだろうと。


分子そのものは見えないけど、微粒子の運動を通じて間接的に分子の動きを捉えられるんじゃないかということですね。そしてアインシュタインはその微粒子がどんな運動をするかについて理論を打ち立てました。その理論によると、微粒子の運動のx方向の平均二乗変位\( \langle x^2\rangle \)が以下の式になると。


$$\langle x^2\rangle = 2Dt = \frac{RT}{3\pi\eta aN_{A}}t$$



原子の存在を証明するためにこのような仮説を立てたわけですが、実際この微粒子の運動は現実世界では既に観察されていたんです。

それがブラウン運動ですね。すごい!


ということで3年後にぺランがブラウン運動の精密な実験を行い、上式が正しいことを実証し、アインシュタインの理論が正しいことを証明したわけです。

これによって原子の存在が確実なものになったんですね。
それと同時にブラウン運動の原理も解明されたと。

アインシュタインすごいですね。。
もちろんぺランも。
彼もこの功績でノーベル物理学賞を受賞してます。

やっぱり科学は理論と実験で成り立っている、そんなことを改めて実感しましたね。

また、その後ブラウン運動は数学的に確率過程として定式化され、今は株価変動のモデルなんかにも使われてますね。

いやーブラウン運動奥が深い。

今日もよく眠れそうです。
では。